ドイツ / シュトゥットガルト Tokyo Dining チャーシューメン 17.90ユーロ

コスパって言葉、今や当たり前のように聞くようになりましたね。コストに対してのパフォーマンス。言葉はとにかく変化するものですから仕方ないですが、コスパって単語から想像されるものが今となっては「安い」「安いけどそれなり」とかそのあたりの意味にほとんど固定されているような印象を受けます。コストに対してのパフォーマンスなので、ある程度コストが高くともそれに比例するようにパフォーマンスがあるもの、良いものであればコスパがいい、ってことではあるんでしょうが、兎にも角にも安いものにしか使われていない気がしてしまいます。

この日、わたしはシュトゥットガルトのヴィルヘルマ動物園に居ました。ドイツにおいてはトップクラスに敷地面積が広く、動物園、植物園、水族館、鳥園に蝶園まであり見ることができる動植物も非常に多く、「パフォーマンスがいい」動物園です。入場料はひとり20ユーロで決して安くはありませんが、家族で来たり17時以降だったり冬季だったりすると割引があり安く入場することもできます。コスパ、とてもいいと思います。正直とても広くて全部じっくり見るとあっという間に1日が終わってしまうし入場料以外になにかお金が掛かるということもないので、レジャー施設としては満点だと思っています。

ただ、いくら動物園が広いとはいえレストランやホットドッグスタンドのような食事ができる施設・設備は限られていて、お昼時には広大な敷地に入場した客が集まってくるものですから、簡単に着席できたりご飯を食べたりは出来ない訳です。わたしもそうやって席を確保できず、空腹については見て見ぬふりをしながら園内を回って動物を眺めていました。

夕方になり、一通りを見終わって園を出た時はもう完全に腹ペコです。この時もわたしはまだ公共交通機関を使うしかない身でしたから、帰りの電車の時間を確認してシュトゥットガルトでご飯を食べてから帰宅する予定でした。ヴィルヘルマ動物園はシュトゥットガルトの市街地からは少しばかり北に位置しており、周りにはメルセデス・ベンツ・アリーナやローゼンシュタイン城やシュロスガルテンなどはあるものの、これといったレストランのようなものはなく、何かを食べるとするならば地下鉄に乗って市街地へ向かう必要があります。スマートフォンを取り出し、グーグルマップを開き、おもむろに「ramen」を入力します。するとヴィルヘルマ動物園から地下鉄で1駅の距離に、なにやら赤いピンが立っていて地下鉄と徒歩で12分との表示。お腹が空きすぎていて何も考えられなかったわたしは、すぐに歩きだしました。

Tokyo Dining チャーシューメン17.90€+ギョーザ 8.90€
ドイツ/シュトゥットガルト Steubenstraße 12, 70190 Stuttgart
日本語 可

メニューを見てわたしはまず息を飲みました。高い。とにかく高い。メニューには、お好み焼き(一枚17.90ユーロ)やうな丼(29.80ユーロ)、ちらし寿司(25.40ユーロ)が載っていて、お目当てのチャーシューメンは17.90ユーロ、ギョーザが8.90ユーロ。セットで頼んだら約3,900円です。しかしながら、考えてもみてください。ここはヨーロッパ。日本語の通じる、日本人がやっている、日本人向けのレストランでご飯を食べるとなったら、きっと具材や麺、スープを作るのにそれなりのコストが掛かってしまうのではないでしょうか。いや、むしろそこを考えると安いのでは?このコストを払って余りあるパフォーマンスを享受できるのでは?わたしは迷わずセットで注文し、空きっ腹にすべてを流し込み、悟った顔をして4000円弱のコストを支払い、退店しました。

間違っても貴方はラーメンとギョーザを頼み4000円弱払って別に大してうまくもなく落胆するという苦い思い出をしてはならないので、ここに記します。後からレビューを見て知りましたが、このお店の正解はおそらくカツ丼(16.50ユーロ)です。それでも高いですが汁物も付いてきますし、漬物もあります。決してコストは安いわけではありませんが、パフォーマンスはそれなりなんでしょう。

日本以外で日本の食べ物を食べようとすると、余計なコストが掛かります。それは食材にかかるコストであったり、人件費であったり、BIOブームの名残で日本食というブランドに払うコストであったりします。コスパがいい・わるいで食事を決めるということはわたしはしたくはありませんが、パフォーマンスに乗らない部分のコストを支払って食べるということは、出来れば遠慮したいものだな、と思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA